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2017年1月1日日曜日

2016年を振り返って


久々の更新になります。mochiです。
昨年は、修士論文を書いたり、教員生活が始まったり、sava君が結婚したり、(ぇ
いろいろなことがありました。
学生の頃と比べて、時間の進み方がまるで違うことに焦っています。笑

それでもこの一年は、たくさんのことにチャレンジできたので良かったなと思っています。ありがたいことに、日本通訳翻訳学会の先生方とつながりを持てていたり、他校の授業参観に行かせていただいたり、さらにはウィトゲンシュタインのシンポジウムや英語授業セミナー、演劇ワークショップなどの自己研鑽にもある程度の時間を使うことができました。(とは言いつつ、振り返りの時間が取れていないのが残念。来年はきちんと振り返りをしよう!そしてブログを書こう!w


では、ここ最近読んだ本を備忘録的にメモしておきます。
今年も良い本にたくさん出会えたのできちんと文章化したかったのですが…また次の機会に。笑


言語学に関する本


◆ 「認知と言語」
日本語と英語を認知言語類型論的に分析した本。
修士論文で依拠したIモードとDモードの違いに通じており、とても面白かった。
実はこの両者が談話にもつながるという指摘は面白かった。
ただ、不定詞と動名詞の違いなどは自分の説明言語までなっておらず、再読が必要。また、昨年度の翻訳学会で発表した際に「認知言語類型論の教育学的意義は?」と質問されて以来悩みではあるが、英語教育への応用可能性は今後も考えたい。
著者の濱田氏は、新刊の「ラネカーの(間)主観性の展開」にも寄稿されており、そちらも来年に読みたい。


◆ 「仮定法を洗い直す」
英語の仮定法について、動詞の形と時制はそこまで関係ないのではないかという論旨。
研究授業の教材研究用に購入したが、読んでみてよかった。
収穫だったのは、「過去形仮定法」という用語が海外の文献で用いられているということ。過去時制のニュアンスを高校生に理解させるためにも、文法書などで「仮定法」と独立した章立てをするのではなく、あくまでも過去形の一用法として仮定法を導入できる可能性がある。(もっとも、このような試みは「一億人の英文法」などにもみられるが。)


宮沢賢治


平田オリザの影響で「銀河鉄道の夜」を再読し、それ以来宮沢賢治に興味がある。(余談だが、クラスのクリスマス会で500円程度のプレゼントを購入することになり、迷わず『銀河鉄道の夜』を選んだ。受け取った子に後で聞いたら喜んでくれたようで一安心。もっとも、大方の生徒からしたら「要らね〜」ということかもしれないが…苦笑)
年度始めは英語版の宮沢賢治を読んでいたが、やはり賢治の文体を英語で出すのにどの翻訳者も苦闘しているように思われた。できれば「銀河鉄道の夜」はきちんと翻訳分析して、投げ込み教材で使ってみたい。


以下で紹介するのは、学部時代にゼミの先生が紹介されていた本。


◆ 「贈与と交換の教育学」
年末に購入し、部活の行き帰りに一気に読み進めている。文学解釈から「師」や「贈与」について考察するわけだが、本書の優れているのはその方法論の合理性だろう。氏はなぜ文学作品を用いなければならないかについて丁寧に記述しており、納得しながら文章を読めた。
目に見える短期的な学力をつけることが求められる現場では、一種の「交換」の発想による教育によって、「贈与」性 (本書の用語では「生成としての教育」)が失われることも考えられる。だからこそ、「異界」「(絶対的)他者」「師」といった要素を無視すべきではない。


英語教育


◆ 『高校英語授業を知的にしたい』
人間形成的アプローチに立つ著者陣による新刊。エマワトソンのスピーチを題材にしたディスカッションや2分間スピーチといった実践紹介とその意義が示されている。近年の入試の傾向分析 (必要な力の分析) は、研修等で聞く話とずれもなかった。
おもしろい実践が多いが、そのほとんどが大学英語授業の実践であることが、やはり教科書をどのように扱うか大きな課題であることも物語っているように思えた。

◆ 『「論理」で読み解くリーディング』
大学受験向け (高3向けか) 。和田玲先生のセミナーに参加して、もっとこの方の話を聞きたいと思い早速購入。論理展開の型紹介 (パート1)、問題形式別解法紹介(パート2)、総合演習(パート3)という構成。論理展開も大切な内容だけれど自分のコミュIIでは扱いきれていないところだよなと反省――かといって英語表現でもきちんとできているかと言われるとキツいが――。ぜひパート1だけでも講座に使ってみたい。


その他
◆ 『少女』
読後の突き放し感が、さすが湊かなえ!という感じでした。笑
高校生の心情描写も「たしかに」と思いました。他者に怯えつつも欲するというむずがゆい感じが懐かしい。


◆ 『ジブリの教科書 ハウルの動く城』
ハウルの動く城は名作だな〜と再感 (笑) ハウルは前半と後半で時間の流れ方が違うというのは自分も思いましたが、宮崎駿特有の映画の作り方に由来するものだったとは。笑
年末の授業でも英語版の冒頭部分を扱いましたが、ソフィーの性格変化を英語で述べるくらいなら高校生でもできそうだなと思いました。 (準備はもっと丁寧にする必要がありますが。)



思い出せる限りでこのくらいでしょうか。

そして何より多くの方々の支えでこの1年なんとか乗り切れたという思いが強いので、感謝の気持ちを忘れずに、この1年も頑張りたいです。

最後に、今年の目標!


2017年の目標
<INPUT>
1) アダムスミス『道徳感情論』を英語で読む
→院生時代に途中で断念した本。『世界と英語と日本人』を読んで以来、もう一度トライしてみたいと思っている。

2) 翻訳学の勉強を引き続き進める
→具体的には以下の本。
『ラネカーの(間)主観性の展開』
東大名誉教授と名作・モームの『大佐の奥方』を訳す 英文翻訳術
翻訳の楽しみ 文芸翻訳の現在と可能性
I Love Youの訳し方

教材研究の合間にでも、モームの翻訳は自分なりに続けていきたいなと思っています。個人的には『I Love You』が楽しみ(高校生が好きそう。笑)


<OUTPUT>
1) 修士論文の投稿
→本当は去年のうちに行いたかったもの。春休みまでに必ず!(といってて、結局頓挫しそう・・・笑)

2) 学会投稿
→教育学系ですが、テーマも自由なもののようなので、是非教科教育系で1本を目指したい。

3) ブログ記事
→やはり久しぶりに文章を書くとしんどい。定期的に文章を(文書ではなく)書く癖をつけたい。





2015年12月20日日曜日

授業準備・英語授業が捗るお役立ちPCソフト

こんにちは。Ninsoraです。寒くなってきましたね。
先日、先輩と話をしていて、授業の補助教材の話題になりました。

英語の授業って、視覚情報や音声情報を扱う機会は他の教科よりも多いですよね。
だからいろいろ準備をしないといけないし、拘ろうと思えば際限なく時間が必要になります。
でも、先生の仕事は授業だけではないので、できるだけ授業準備にかける時間を効率化したいという方も多いはずです。

CDはもちろんのこと、最近は出版社から電子データや授業プリントが売られることもあるようですが、やはりまだPCでオリジナルのプリントやオリジナルの音源を作る方も多いと思います。

忙しい先生方の作業がちょっと楽になればと思って、僕がよく使う「普段の授業準備・英語授業が捗るPCソフト」を紹介します。

先生だけではなく、教育実習に行かれる学生さんも、パソコンに入れておくと何かと役に立つかと思います。
一応リンクも貼っておきますので、ご参考になさってください。

※ 尚、今回紹介するソフトはほとんどがフリーソフトですが、寄付も募っているそうです。

★プリント・スライド作成お役立ちソフト

PDF Xchange Viewer

PDFViewerとしてはもちろん使いやすいのですが、なによりキャプチャ機能が優秀です。
PDFはフォーマットが崩れない分、編集が難しいところがあるので、一部を切り取ってプリントに補足的に載せたいときなどは非常に便利です。

カメラのマークをクリックした後、指定ページをクリックすればページ全体が、ドラッグして範囲を指定すればその範囲が、一瞬でキャプチャされます。

また、PDFにテキストを書き込んだりもできるので、PDFファイルのプリントに補足的に説明を加えることも簡単です。多分一番使っているソフトです。

Xn View

視覚情報として写真を使用することは多いと思いますが、このXn Viewは素早く欲しい画像にアクセスできるので、とても便利です。

でも、それ以上に画像や写真を編集するソフトとして非常に優秀です。
非常に細かく明度・彩度等も変更できますし、フィルタも種類があって面白いです。
また、画像の形式を変更することもできます。

それ以上に、自分の一押しのポイントは、画像の傾きを「1度単位」で調整できることです!
気にするほどではないが、写真が真っ直ぐじゃないとなんとなく気持ち悪い!という自分みたいな人間にはありがたい機能です!

JTrim

これも画像の編集ソフトです。UIがシンプルで使いやすいのと、動作が軽快なのが特徴です。

教科書や問題集のデータ、スキャンした生徒のノートなどで、次のページに数行だけ書いてあって、そのままだと何となく勿体なく感じてしまうっていうこと、よくありますよね。

そんなときに、指定範囲を切り取って、ちょっとずつ動かして一枚に収める、なんて使い方もできます!

◇画像梱包

上で紹介したようなソフトで出来上がったJPEG画像などを、PDFとしてひとつにまとめることが可能です。

まとめるときは、ファイル複数指定してドラッグアンドドロップするだけなので、とても楽チンです。

タブレットやラップトップなどで写真を紹介するときなど、プレゼンテーションソフトだと容量が大きくなってしまったり、もともと入っているViewerだと動作が重かったりすると思います。

提示する順番が決まっているならば、一つのPDFとしてまとめてしまえば軽快になる(かも?)です!

動作OSWindows XP/ Me/ 2000/ 98 と書いてありますが、Windows 7の僕のPCでは動作確認できています。(Windows8以降のOSはちょっと分からないので、試してみてください)


★ 思考ツールとしてのテキストエディタ

Mery

プリントを作り始める前に要点をまとめたい、指導の流れをシンプルにイメージしたいという方にはテキストエディタがおススメです。

一押しはWZ Editor http://www.wzsoft.jp/wz9/index.html )というエディタなのですが、有料なので、今回はMeryというフリーのソフトを紹介します。

UIがシンプルで使いやすいのがテキストエディタの特徴なのですが、このMeryというソフトは普通のメモ帳アプリと違って、「アウトライン機能」があることが特徴です(WZ Editorが使いやすい所以でもあります)。

ピリオドを一つ打てば第一命題、二つ打てば第二命題という風に、階層をつけることができます。しかも、階層を指定して展開が可能です。
適当で申し訳ないですが、ちなみに下のような感じになります。左側がアウトラインです。



このように、説明する事柄や授業展開について、階層をつけてまとめると、言いたいことがよく伝わると思います。

また、このアウトライン昨日は論旨の流れを見たいときにも非常に使えるので、論文執筆やWritingの指導にも生かせるかなと思います。

★ 音源編集ソフト
Audacity

使いこなせば、音源を自由自在に編集できるソフトです。

不要な音の一部やノイズを消去したり、ディクテーションの際にポーズを挿入して書く時間をとったり、同一ファイルの中で音量を調節して音読などに役立てたり、複数の音源をつなげて一つにしたり、工夫次第で用途は様々です。

MP3等で書き出しもできるので、CDに焼いてコンポで使うこともできます。
リスニングテストの作成にも使えるかなと思います。

――――――――――――――――――
いかがでしたでしょうか。
他にもみなさんのおススメのPCソフト、あるいはタブレットのアプリなどがあれば、是非紹介してください。

僕も他に良いソフトがあれば、どんどんシェアしていきたいと思います!

それでは良いお年を。

2015年9月3日木曜日

残りの院生生活でやりたいこと


久しぶりの投稿です。mochiです。
9月は目指せ、記事5本! (笑)

あと半年で院生生活も終わってしまいます。いつまでも入院できるわけでないので、残りの時間はできるだけ貴重に使わないとなと痛感する日々です。(あと、そろそろ社会に入るためのリハビリも始めないと。笑)

また、この夏休みは、あまりに多くの出来事ありました。ざっと挙げられるだけで、苫野先生の講演会 (博多) 、田端先生の集中講義、オープンキャンパス、広大英語教育学会、全国英語教育学会 (熊本学園大) 、教員採用試験、論文投稿、翻訳者養成集中講座……。身に余るほどの贅沢な夏休みでしたが、まだきちんと消化できていないので、少しずつ振り返りをして、アウトプットもなまけないようにしたいです。


そこで、まずはこの夏休み中に出会ったものの中で、「これは残りの院生時代 (半年) でやっておきたい」と思うものをリスト化しておきます。



● Translanguaging に関する勉強
全国英語教育学会 (8/23-24) で、Translanguaging 概念を用いたライティングの発表があり、翻訳研究にも非常に関わってくるのではないかと思いました。
今は以下の書籍のKindle 版をダウンロードして読んでいるところです。言語教育への応用も出てくるので、ぜひ自分の考えにも取り込める部分を探して、批判すべき点は批判して読み進めたいです。

Translanguaging: Language, Bilingualism and Education (Palgrave Pivot)
Translanguaging: Language, Bilingualism and Education (Palgrave Pivot)Ofelia Garcia Li Wei

Palgrave Pivot 2013-11-29
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● インプロに関する勉強 (+演劇実践)
半年前に国際表現言語学会で紹介されて以来ずっと気になっていたのですが、今回の全国英語教育学会のアクティビティ工房の方々の発表を聞いて、やはりインプロの勉強をしようと思いました。インプロ手法は、「予定調和の言語活動」を崩す機能があると強く思います。読みながら、言語教育への応用も同時に考えらればと思います。
そして、せっかくなので、ひっそりと演劇の練習も続けようと思います。
Learning × Performance インプロする組織  予定調和を超え、日常をゆさぶる
Learning × Performance インプロする組織  予定調和を超え、日常をゆさぶる高尾 隆 中原 淳

三省堂 2012-03-16
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● 実践研究 (アクションリサーチ) に関する勉強  (+ 非常勤実践)
8/8-9 に広島大学で開催された広島大学英語文化教育学会では、2本のアクションリサーチ発表を聴きました。お2人とも自分の学部来の先輩に当たりますが、中高で実践を続けながらデータ収集・反省的思考・改善行動を取られている先輩方に、ただただ脱帽するのみでした。懇親会でもアクションリサーチの勉強はしておいた方が、 (研究を続けるかどうかはともかく) 自分の実践の見つめ方がわかるとのアドバイスを頂きましたので、まずは佐野先生のアクションリサーチに関する本を読みました。

アクション・リサーチのすすめ―新しい英語授業研究 (英語教育21世紀叢書)
アクション・リサーチのすすめ―新しい英語授業研究 (英語教育21世紀叢書)佐野 正之

大修館書店 2000-04
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今は、日本語教育の細川先生の編集された以下の書籍から、「社会・文化的変革を伴う<実践=研究>」について読み、現代英語教育の潮流のアクションリサーチとのつながりや違いを勉強しているところです。本書は、いろいろなところで書評されていますが、非常に読み応えがあって、記述の仕方の勉強にもなります。
実践研究は何をめざすか--日本語教育における実践研究の意味と可能性 (日本語教育学研究 4)
実践研究は何をめざすか--日本語教育における実践研究の意味と可能性 (日本語教育学研究 4)細川 英雄

ココ出版 2014-06-05
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可能なら、看護学校の非常勤先でも指導案や振り返りを作りながら、教室の課題 (と自分の課題) を把握して、受講生の皆様に還元できればと目論んでいます。また、自分の実践について、学友や先生にも意見を頂けるように、他者に伝わる形で自分の実践について語れるように、丁寧に自分のクラスを観察しようと思います。



●  「他者」に関して勉強する
8/30(日) 民営団体の「教師の学校」主催で、哲学者の野矢茂樹先生の講演会があり、参加させていただきました。最近の先生の編著された『子どもの哲学』中のエッセイを「哲学」的に読み解くという内容で、最終的には「大人になるとうことは、他者性を身につけることであり、大人の社会はポリフォニー(多声的) である」という主張とまとめられると思います。
先生の発表を伺って、以下の点に気づきました。

1) 自分の「他者」観の根本には野矢先生の考えがある
→ 「他者」関係で最初に読んだのが「ウィトゲンシュタイン入門」や「語り得ぬものを語る」だから仕方ないといえば仕方ないのですが。笑

2) 自分の今のテツガクの勉強は、まさしく「勉強」どまりで、それを当てはめたり批判的に読んだりという「哲学」の姿勢はまだまだついていない
→ これが今回最も痛感したことです。ヘーゲルやルーマンも、まだまだ批判的に読めておらず、テキストに帰依しすぎているのかな、と先生の話を伺って思いました。

そこで、久しぶりに他者論関係の本を読みたいと思いました。以下の書籍を、時間のある時に読みたいです。

心と他者 (中公文庫)
心と他者 (中公文庫)野矢 茂樹

中央公論新社 2012-11-22
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また、ヘーゲルも以下の本を注文したので、前期の演習授業で得た知識を頼りに読もうと思います。

使えるヘーゲル 社会のかたち、福祉の思想 (平凡社新書)
使えるヘーゲル 社会のかたち、福祉の思想 (平凡社新書)福吉 勝男

平凡社 2006-06-10
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● アイデンティティと言語教育
先日、ゼミの先生が紹介された本です。「外国語教育は人格形成」について語るためのことばを得るためにも、これはぜみ読みたいと思います。

相互文化的能力を育む外国語教育: グローバル時代の市民性形成をめざして
相互文化的能力を育む外国語教育: グローバル時代の市民性形成をめざしてマイケル バイラム 細川 英雄

大修館書店 2015-07-28
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● 『もの・こと・ことば』
学部生の後輩と読書会を開こうということになりました。学部生の頃から「いつか読もう」と思っていたので、いい加減読むことにしました。笑
教育哲学の先生が授業中に言及されたり、ルーマン読書会でも話題になったりしたので、しっかり読もうと思います。


もの・こと・ことば
もの・こと・ことば広松 渉

勁草書房 1997-04
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●  最後に
と、たくさん書いてきましたが、まあこんなこと読んでから書けよ、ってことですね。(笑) 自分のやることリストの備忘録のような格好となってしまいすみません。

あと、堅い本だけじゃなくて、友達に借りてる本もちゃんと読みます!(まあ、いっぱい借りるくせに全然読めないもので。w) これ以上信頼を損なわないように、ちゃんと読みます。笑

とりあえずあまり気張らずに、少しでもできるところから入っていければと思います!(^○^)


2015年2月2日月曜日

大学院生活の折り返し地点



早いもので、大学院での初年の生活が終わろうとしています。

本当に早い時間の流れで、自分が何かやっても、次々押し寄せるタスクに圧倒され、自分がやったことをきちんと省察できずにいました。

そこで、少しこの1年を振り返ってみようと思います。


■ 研究について

院に入って(入院して)から、多くの出会いがありました。その出会いとは、学友であり、先生であり、バイト先の生徒であり、ライティングセンターのメンバーであり...。学友も、英語教育研究や翻訳研究、哲学、心理学、国語教育など、幅広い方々とご一緒させて頂くことができました。これらの出会いから自分が得たものは何にも代えがたいでしょう。


特に大学院で出会った方々からは多くの刺激を受けました。研究に打ち込んでいる方からは「自分の研究はまだまだ」ということを思い知らされましたし、深い思考を持って行動されてる方からは「お前はまだまだ子どもやな」といわれている気がしていました。(笑)あと1年しかありませんが、少しでもましな研究者・教育実践者に、そして少しでもまともな大人に、なれればと思います。


研究テーマも多く移り変わりました。当初は翻訳と言語意識に興味があり、翻訳不可能な駄洒落や詩を訳そうとするときの学習者の意識記述に興味があり、それに関する文献を読んだり調査をしたりしました。その後、「英文和訳」と「翻訳」を区別するための研究構想を立てましたが、実験計画をうまく立てることができず、現在は英語教師の訳出意識をテーマに再び動き出そうとしています。


あっちこっちに研究が行っていて、あと1年でまとまるのかしらと思ってしまいますが(苦笑)、きちんと修士論文を提出できるように頑張ります。


■ 他者論について

研究以外にも、自分の関心は移り変わります。初めの頃は、他者論に興味がありました。「なぜ他者はわかりあえないのか」をウィトゲンシュタインの『哲学探究』をベースにして考え、平田オリザのコミュニケーション論に一時期夢中になりました。


夏休みの教育哲学特講以来は「いかに他者と(相互)承認できるか」という問いに変わり、苫野一徳や山竹伸二らの議論を読みました。そのような抽象的な「承認」論をやっていると、より臨床的な知見も気になり、カウンセリングの理論も河合隼雄や熊倉伸宏も勉強しました。


また、「他者をいかに承認するか」と問い出した結果、普段の自分は現前する他者に対して承認できているのか、また、自己を出せているのかということも(結果的に)問われることとなりました。おそらく高校の頃のトゲトゲしかった自分よりは、相手を認めることは少しはできているかもしれません。しかし、そのような他者を前にして、いかに自己を出すかということも今後は考えなければいけないのかもしれません。


また、「他者」とのコミュニケーションを英語授業で取り入れる方策としての演劇にも興味が出たため、演劇を観たり学んだりということもしました。演劇は、今年の夏に舞台を観にいく機会があり、それ以来興味が再燃しました。最近は、国際表現言語学会に参加したり、演劇ワークショップに参加したりしています。演劇ワークショップでは、自分の身体の使い方を客観的に観察することもでき、大変貴重な経験になったと思います。DOCSという演劇ワークショップを経営する学生団体の方々とも知り合うことができたので、今後も時間を見つけて参加できればと思います。


■ 趣味について

指導教員の影響やゼミの後輩から影響を受け、カメラを買うこととなりました。友人に比較すれば圧倒的にへたくそな写真ですが、それでも自分が見た世界を画像にして取っておけるというのは面白くて、昔の写真を見ながらそこで感じたことや当時の自分の状況を思い返しています。また、カメラを携えて歩いていると、普段目に留めもしないようなものに気付くことがあります。それは、葉っぱ1枚であったり、近所の木であったり、雨上がりの道路であったりします。去年は同じ道を歩いていましたが、まったく気付かずに素通りしていました。カメラのおかげで、少し世界を広げられた気になっています。


また、学部4年の頃から始めたドイツ語もひっそり続けています。具体的には、ドイツ語の教科書の会話文を聞いて音読したり、好きな歌のドイツ語版を何回も聞きながら口ずさんだり、ミヒャエル・エンデの『モモ』を辞書片手に必死に読んだりしております。語学教育に携わる者として、自分の語学教育すらできていないのかと思うくらい上達が見られないのですが(泣)、最近は、英語が苦手な子の気持ちを理解するのにも良いなと思って、やや暴走気味なほど楽観的にやっています。2月の頭から3月の中旬までドイツのドレスデンというところに留学に行って、ドイツの空気を肌で感じてこようと思います。




■ 今後の課題について

(研究)修士論文を提出する。また、学会発表を行う。

・まずは最低限、修士論文を提出できるくらいのことはしなければなりません。できれば、先輩方がされたように、修士論文でやろうとしていることを形にして学会などで発表できれば良いな~と思います。



(哲学)ヘーゲル『精神現象学』『法の哲学』を読みすすめる。

・自分が注目してきた思想家がヘーゲルを論拠にしていたことから、今年はヘーゲルを読もうと思い立ちました。現在は西研氏の『へーゲル・大人のなり方』を読んでいます。



(哲学)アダム・スミスの『道徳感情論』を読み、モラルに関する自分の考えを深める。

・柳瀬陽介先生が面白いと仰っていたこともあり、山竹先生も自らの承認論に取り込んでいたアダム・スミス。当面は、堂目卓生氏の『アダム・スミス』を読みながら、ちくま学術文庫の『道徳感情論』に進みたいと思います。これも、他者論の文脈で読める部分があるのではないかと思っており、自分の他者観にも影響があるだろうなと踏んでいます。




(翻訳)英語(ドイツ語)と日本語の翻訳演習を続ける。

・英語に関しては、安西先生の『翻訳英文法』を、ドイツ語は、『ドイツ語おもしろ翻訳教室』を用いて、言語学習者として、そしてアマチュア翻訳研究者のはしくれとして、翻訳実践は欠かさないように心がけたいです。



(教育)塾のバイト、非常勤講師としての仕事を全うする。

・最終的には、自分がやっている翻訳論や哲学、演劇論、心理学、などを束ねるのが、この教育実践だと思います。授業観についてもできるだけ省察をしながら丁寧に続けようと思います。看護学校での実践経験を積むこともできるので、これまでの自分の授業を反省しつつ、新しい一歩になるようにします。具体的には、「力をつけつつ、『ゲーム』的に進行する授業」です。




(ジム)週に1回行き続ける。

・11月くらいからは、月に2回ペースになっているので、ドイツから帰ってきたら、できるだけ週1ペースを守ろうと思います。




取りとめもない文章でしたが、今年ものんびり記事を更新できればと思います。

本年もよろしくお願い致します (^^)

2014年12月16日火曜日

「いじめ」と「イジリ」の区別:他者の視座から


学部の頃に心理学を勉強していたとき、新潟青陵大学の碓井真史先生のサイトは大変参考にしていました。



最近、碓井先生の記事にこのようなものがありました。




子どもの頃から抱いていた疑問に対する答えの1つを知れた思いで、熱中して読みました。最近の自分の関心である「他者」にも絡めて、いろいろ感じることがあったので、以下は自分なりの感想です。よろしければ、碓井先生の記事をお読みになった上で、本記事をご覧頂ければ幸いです。


イジリは笑いの中でも高等テクニック。コミュニケーション(特に、笑いに特化したコミュニケーション)に長けていなければ、簡単にいじめになってしまう。


外部観察 (eticな視点) によってはこれら2つの区別をすることは難しい。なので、当人たちはおふざけで言い合っている場合も、教員によってしかられてしまう。その時、大きな違和感を覚えるだろうが、言語ゲームを共有しない相手には分かりえないだろう。(もし教員が子どもたちの言語ゲームを丁寧に観察して、時折そのゲームの参入者として入っていれば分かるかもしれないが。)


当事者 (emicな視点) には、いじめとイジリは区別できるだろうが、その中でも「イジる側」と「イジる側」が互いに他者であることを強調すべきだと思う。すなわち、「イジる側」が相手の幸せのため、と思っていても、それが「イジる側」の幸せになると決定することは、原理的に不可能である。


だから、テレビで行われているイジリは名人芸であることがもっと分かるべきではないか。他者に対して~~をしたら必ず喜ぶ、という確定はできない (二重偶発性) わけで、もしイジられた相手が機嫌悪くなったら「これくらいのことで怒るなよな」と、急にeticな尺度を出すこともイジる側にはできてしまう。イジられる当人が望まないのに相手によって変化させられるのは、「暴力」ととらえることもできる。


厄介なことに、当人は暴力をふるっているつもりがない場合も多いはずである。なにしろ、イジリという行為・構造自体に暴力性が隠蔽されているからである。つまり、イジリをする者が「雰囲気を明るくしよう」とか「いつものように楽しもう」という善意の下にイジリを行ったとしても、イジられる当人の受け取り方次第で「イジリ」にもなれば「いじめ」にもなる。このような構造に隠された暴力性をイジられる側は認識すべきかもしれない。だからこそ、イジリという行為は危険な笑いの取り方で、それなりのリスクを背負った上で使うべきと思った。


と。なにやら感想文まがいの文章になってしまいましたが(笑)、ご意見ございましたら、コメント欄にお願いします。


(参考)二重偶発性 [Doppelte Kontingenz] および、「分かり合えない他者」について

「他者は分かり合えない」ということを言う例として、ウィトゲンシュタイン『哲学探究』の「かぶと虫の問題」があります。

293. 誰もが箱をひとつもっていて、そのなかには、私たちが「カブトムシ」と呼んでいるものが入っている、と仮定してみよう。誰もほかの人の箱のなかをのぞくことはできない。そして誰もが、「自分のカブトムシを見ただけで、カブトムシとはなにかを知っている」と言う。
この場合、どの箱にも別のモノが入っている可能性があるだろう。おまけにそれが変化しつづけていることも考えられるかもしれない。しかし、このとき、その人たちの「カブトムシ」という単語の使い方があるとしたら?それは、モノの名前の使い方ではないだろう。


他にも、ルーマンの「二重偶発性」の原理があります。

すべての自己にとって他者はもう一人の自己であり、その振る舞いは予測不可能で可変的である。自己も他者も自分の振る舞いを自分の境界内で自己言及的に決定する。だれもが、他の人にとってはブラックボックスである。なぜなら、その人の選択の基準を外部から観察することはできないからである。自己に見えるのは、他者の閉鎖した作動の結果としての選択性のみである。いずれもが他者を、環境-内-システムとして観察し、その他者に関しては、環境からの、そして環境への、インプットとアウトプットを観察することができるだけであり、自己言及的な作動自体は観察することができない。いずれのシステムも、他者に対して示すのは、自分の選択を決定できると同時に、その自己言及は不確定であるという事態である。 (ルーマン『GLU』, p.255)


「他者はわかりあえない」という前提を受け入れることで、相手に歩み寄れるのではないかと最近考えますが、教育哲学の授業では「他者論は常に具体例を念頭にして議論して欲しい」と言われます。一般論や抽象的レベルでは語りつくせず、ケースバイケースで考える必要があるからでしょう。今回は、「イジる」「イジられる」を具体例に考えて見ましたが、本例においても別様の見方ができるでしょうし、別の例の検討も今後必要になると思います。

また、「他者は分かり合えない」という前提の下で、次に何を議論すべきかについても考える必要があると常々考えます。「互いに歩み寄るべきだ」とか「承認すべきだ」といった肯定的な意見にいくのか、「一人ひとり違った意見で良いではないか」「多様性を認め合えるべきでないか」といった解釈学的な考え方になるのか、もう少し考えをつめる必要があるようにも思います。


2014年3月26日水曜日

パワーアップ!!

久々の更新となります。mochiです。


ここに嬉しい報告をさせて頂きます。


当ブログに新しいメンバーが加わりました。同学部のNinsora君です。彼はSava 君同様、僕が学部で出会った友人の中で本当に思考が深いと思っていた人の中の1人でした。彼の方からメンバーとして参加したいと言ってくれたので、喜んでお迎えする運びとなりました。


また4月を迎えるにあたって、私たちの進路が決定しました。当ブログ著者は以下の通りとなります。


sava : 中学校英語科教員(現場の視点で、ある意味本音の「英語教育」について語る)
mochi : 大学院生(研究・理論の視点で英語教育および研究テーマの翻訳論について語る)
Ninsora : 大学院生(研究・理論の視点で英語教育および豊かな感性を頼りに幅広い事象について語る)


括弧内は担当となります。
これからは理論・実践の両観点で英語教育について語ることができるので、より深い議論をできるよう邁進したく存じております。

さらに言えば、


save : 現場の視点から有益な記事・実践報告担当
mochi : 読みにくい記事の大量生産担当(汗)
Ninsora : 質の高い文章の発表担当


となるのでしょうか(笑)そこのところも楽しみにして頂ければ幸いです。


いずれにせよ4月からもパワーアップして3人で続けて行く所存ですので、皆様これまで通りご愛好の程よろしくお願い申し上げます。



大事なことなので、もう一度繰り返します。


「3人で」続けて行きます。よろしくお願いしまth。(笑)


(以下、私用で恐縮です。)

またsava君を含め、4月から社会人として新たな環境に出られる(教英の)皆様、mochi も Ninsora も相変わらずこの田舎よりささやかながら応援してますので、ぜひお疲れの出ませんようにご活躍を期待しております。

自分も充実した2年にできるよう、できることからこつこつと行っていきます。お互い頑張りましょう(^^) またこちらへ帰ってくることがあれば、ぜひ連絡ください。いつでも待ってます♪♪


今後ともよろしくお願いします!!


2014年2月8日土曜日

最高の離婚スペシャル

mochi です。


最高の離婚スペシャルが最高に面白かった!



いやはや、これまたひどい記事ですね笑。

それにしても面白かった!真木よう子の最後の長台詞シーンは圧巻で、瑛太がじっと黙って聞きながらお互い成長した姿を見せる、という演出がすごく良かったですね!まさに現在感の高まり。

それと個人的には冷凍たこ焼きが最も粋だったと思います。(それに対する瑛太のつっこみも。)


さて、次はちゃんとしたのを書きたいと思います。笑。



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2013年5月2日木曜日

ジュリー・バースティン「創造力を育む4つの教訓」





こんにちは。サバンナです。お久しぶりです。実に二か月ぶりの更新!!笑


今回はTEDの動画の紹介です。創造力をはぐくむための四つの教訓をジュリー・バースティンさんが教えてくれます。



創造力を育むということは私の大学生活の中でも大きなテーマであったように感じます。どうにかしてみんなと違うことをしよう、所属している学科の行事で今までになかったことをしたいという思いがありました。
 ジュリーさんは創造力を育むために「経験を受け入れる」、「課題を受け入れる」、「限界を受け入れる」、「喪失を受け入れる」という四つの教訓を提示してくれました。四つの中で特に共感できたのは一番目の経験を受け入れることです。このことについて少し自分のことを振りかえって見ます。


経験を受け入れる
 創造力をはぐぐむために経験を受け入れるということは、自分の解釈でいうと、アイデアの源を自分の経験に頼るということだと考えます。
 私が学科の行事などで企画(ゲームや出し物)を作るとき、それらの中に何か新しいものを取り入れようとするとき、私は今までの自分の体験を振り返っていました。インターネットで自分の知らないもの、新しいものを検索したりもしますが、いいものは見つからず、結局は自分の経験の中で使えそうなもの、アレンジすれば新しいものになるものを検索していました。特に映画というエンターテイメントにはお世話になっていました。ジャッキーチェンやスターウォーズなどは参考となるアイデアがたくさんあります(自分が好きなだけです笑)。
 創造力を高めるためには、日々いろんなことを経験する必要があるのではないかと思って、何でも手を出しそうになります。しかし私は、好きなもの、興味のあるものだけでいいのではないかと思います。なぜなら、嫌いなものや嫌々やっている活動というのはあまり記憶に残らないと思うからです。また、いやなことを継続するのはかなりしんどいことだと考えるからです。嫌いなことを経験だと思ってやることも必要ですが、それを創造力につなげるためにするのはよくはないなと今は思っています。
 


と、またまとまりのない文章を書きましたが、やっぱりTEDに出ている人のプレゼンは惹きつけられますね。17分もずっと動画を見るのって結構しんどいことだと思うけどなぁ。この動画からもいろいろパクろう笑。

2013年3月1日金曜日

最高の離婚 

最高の離婚が最高におもしろい!!
久しぶりにドラマを見ています。「最高の離婚」というドラマです。見始めた理由は真木よう子が出ているからです。真木よう子はとてもタイプな女性です。

ああ、なんという記事だ笑。今度更新するときは英語教育について書こうと思います。


明日から三月が始まります。充実した三月になるように毎日目標をたてて過ごしていきます。