2014年7月25日金曜日

関連性理論まとめ①

せっかくブログに参加させてもらったのにも関わらず、更新をほとんどmochi君に任せてしまっていて申し訳なく思っているNinsoraです。ご無沙汰しております。

最近mochi君と関連性理論についての勉強会を始めました。
そして、その復習も兼ねて、お勉強ノートを当ブログにUPすることになりました。
よろしければご覧ください。

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■関連性理論とは

 以前は、話し手の思考が話し手によってコード化 (encode) され、聞き手はそのコードを解読 (decode) するという「コードモデル」によってコミュニケーションを解釈しようとするのが主流であった。しかし、コードモデルでは話し手の意図がそっくりそのまま受け手に伝わらなければならないことやencodeされていない部分に関しては言及できないなど、その限界が指摘されるようになった。これらの限界を指摘したSperber and Wilson (1986/1995) は、Grice (1989) Cooperative Principle(協調の原理)の maxim of relation(関係性の公理)をより詳細に説明するような形で、「関連性理論 (Relevance Theory)」を提案した。関連性理論は、伝達者の意図と受け手の推論を分けて考える「意図明示推論的コミュニケーション」を前提としており、最終的には人間の脳内モジュールのシステムの解明を目指している。

■ 関連性の原理
 関連性 (relevance) は、認知効果 (cognitive effects) と処理労力 (processing effects) によって決定される。認知効果とは、私たちの頭の中の知識の総体に何らかの影響を与えることであり、新情報と既知情報の相互作用により新たな想定を作り出す「文脈含意」と、「既存想定の強化」、「既存想定の削除」の3つがあるとされる。
例えば、お金持ちのAさんの家にBさんが遊びに行ったとする。そこでAさんが「おやつを持ってくるからちょっと待ってて」と言ったとする。「Aさんがお金持ちである」という既知情報に「Aさんがおやつを持ってくる」という情報が加わったことにより、Bさんは「Aさんがケーキを持ってくるのではないか」という想定を立てる。これが「文脈含意」である。数分後、Aさんがお洒落なティーセットとフォークを持ってきたとする。するとBさんは、「やっぱりAさんはケーキを持ってくるに違いない」との確信を強めるだろう。これが、「既存想定の強化」である。しかし、もしティーポットの中身が梅昆布茶だったらどうであろうか。恐らく、「Aさんはケーキを持ってくるのではないか」という想定は棄却されるであろう(もしかすると新たな想定が生まれるかもしれない。)これが、「既存想定の削除」である。
一般的に、以上で述べたような「認知効果が大きいほど」関連性は高く、それを処理する「労力が小さいほど」関連性は高いとされる。認知効果と処理労力という2つの要素を踏まえて、Sperber and Wilsonは「認知原理と伝達原理」の2つの「関連性の原理」を唱えた。

認知原理…人間の認知は、関連性が最大になるようにできている。
伝達原理…全ての意図明示伝達行為は、それ自体最適な関連性の見込みを伝達する。

伝達原理の中の「最適な関連性の見込み」を簡単に述べると、以下のようになる。
 a. 伝達者が伝える内容は、受け手がそれを処理する労力に見合う価値があり、
 b. それが受け手に必要以上の労力をかけさせることなく伝わること


即ち、認知原理とは「発話は、できるだけ小さな処理労力で相手ができるだけ多くの認知効果を達成できるようになっている」という原則であり、伝達原理とは「コミュニケーションの相手は、自分に対して最大の関連性を持つように伝達しているという前提をもつ」という原則である。関連性理論のこれらの原則は、程度に差はあれ、全ての人間が例外なく持っているものであるという点で、他の語用論などの原則や公理と異なっている。


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途中で雑談が入ったりお互いの研究と関連させた話になったりしたため、一度に進んだ量としては少ないですが、これからペースを上げていこうと考えております。

できるだけ読者のみなさんの処理労力が少なくなるように注意したつもりですが、読みにくい文章になってしまって申し訳ないです。

また、間違い等を発見してくださった方は、是非ともご指摘いただけたら幸いです。

今後とも、当ブログを何卒よろしくお願いいたします。
(自分も少しずつ更新しないとな…)

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