ゴールデンウィークが終わりました。みなさんいかがお過ごしでしたか。
大学の友達と「今年はゴールデンじゃなかったね~」「ゴールデンっていうより、茶色とかおうど色みたいな一週間だったね」と話していました。(注:どちらも夏に採用試験等を控えていたので、カフェなどでお互いの勉強をしていました)。その後今年受験を控える高校3年生に「今年のゴールデンウィークどうだった?」と聞いたら「今年はグレーウィークだった。」といってました。笑
おうど色とグレーなら、グレーの方が「大変だったんだろーな」と思い、大学受験の厳しさを改めて実感した次第でございます。
今回はそんな大学受験に関する話題です!
先日、manaveeという団体の合宿に一部参加させていただきました。教育に熱意がある方ばかりで、多くの方と交流させていただきとても貴重な経験ができました。
今日は簡単にmanaveeという活動を(まだ自分も完全に理解しているとは言いがたいですが...)紹介したいと思います。
※自分の主観が交じっていますので、より客観的な説明をお求めの方はmanavee公式サイトへお越しください。
manavee公式サイト
大学受験を4年前に体験した身としてまず言えることが1つあります。それは、受験は情報戦だ!ということです。
過去問の情報量や分析結果、出題傾向に勉強法などは知っているか知らないかによって結果に影響があると思います。また、その情報は環境によってアクセシビリティが異なります。例えば経済的余裕のある家庭ならば、大学受験専門の塾に行って有名講師の授業を受けて対策をすることができ、多くの情報を得られます。その一方で余裕のない家庭では、必ずしも情報が同じように手に入るとはいえません。大学受験の結果がある程度将来に影響しうる現在、このような経済的、地理的格差は見過ごすことができません。
※予め断っておきますが、私は大学受験の結果のみを重要視すべきだとは考えておりません。良い大学に入ったからといってモチベーションも続かずにだらだら過ごすのと第二希望の学校で自分の目標を達成すべく努力するのとでは、後者の方が充実していると思います。しかし、大学の名前でその人の価値が先入観として決まってしまう現実があることも事実です。(先ほどの例で言えば、前者の学生の方が世間的には”優秀”と見られる機会が多いでしょう。)このような現実を踏まえた上で述べているので、読んでいて気分を害された方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
そこでmanaveeでは、大学生が受験対策の授業をビデオで録画して、その授業を無料で見られる環境を提供します。受験生は自分の興味ある授業を選んでみることで、大学受験に必要な情報や知識、スキルなどを得たり磨いたりすることができます。
実際にサイトを見て頂くと分かって頂けると思うのですが、授業も分かりやすいものが多かったり、操作方法も丁寧なコメントで分かりやすかったりと創意工夫に満ちています。このmanaveeの運営や授業スタッフは主に大学生のボランティアによって行われています。東京大学の学生有志による立ち上げで、その後は全国のキャンバスへ活動が広がっているようです。
自分なりにこの活動の長所と短所(課題)を挙げると、
<長所>
・受験生が無料で勉強できる。
・実際に受験を体験した先輩からの授業なので説得力がある。
・授業を行うことで、授業スタッフの授業力も上がっていく。(教員志望者にとっては確かに魅力的です。)
・同じ分野でも多くの講師により授業が行われていることで、生徒が自分の好みの先生の授業を選ぶことができる。
<短所(課題)>
・授業の質を保証しきれない。
・仮に誤った授業内容があってもそれを完全に見つけきることができない。(ただし講師同士のフィードバックシステムは既にあります。)
・分野によってはまだカバーされていない部分もある。
・インターネットが使えない環境では利用できない。
・著作権の問題で授業が行えない分野もある。(現代文や英語長文問題対策など)
・講師と生徒のインタラクションがとりにくい(掲示板を使った交流は行えますが、授業最中のインタラクションが取れないという点はオンデマンド式授業の弱点だと思います。)
これらの点を踏まえた上で、個人的には素晴らしい活動のように思えます。まず、教育格差の活動として理念がはっきりしている点にあります。この活動は教育のタテマエ(公教育)における格差是正ではなく、公教育にカバーできないホンネ(受験)の次元での教育格差に特化しています。ホンネの次元での格差是正は、学習支援ボランティアなどがこれまでにはありましたが、インターネットを使った全国規模の活動は他にはないと思います。(もしあったらすいません><;)海外でもOpen Educationの流れは近年見られますが、日本の大学受験というコンテクストで実現したのも感銘を受けました。
また運営スタッフの皆様も上記の課題は把握されていて、会議を重ねて改善に向かっているそうです。(本当に熱意ある優秀な方々によって行われています!!
自分も大学4年生という立場で、できることは限られてくるかもしれませんが、力になれることはしたいなと思っています(^^)
<参考記事>
Open Educationの広がりについて
梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
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