個人的に特に面白そう!と思ったものを2つだけ紹介したいと思います。
1つは、PI(Processing Instruction)についての本(Grammar Acquisition and Processing Instruction(文法習得と処理指導)二次的累積効果A.G.Benati, J.F.Lee)で、そもそも自分はPIについての知識がなかったのでとても新鮮でした。簡単な説明のみ提示しておきたいと思います。
例えば、I walked to school yesterday.という過去形の英文があるとしたら、学習者は時を表す副詞句であるyesterdayを手掛かりに「これは過去の文だ」と決めることが多いそうです。もちろんよい学習方略かと思いますが、これでは動詞の過去形(ed)には目が向きません。そこでわざとyesterdayを抜いた”I walked to school.”という文を提示することで、formとmeaningの結び付きを強めることができるようです。
プレゼンテーションの中では、柴田美紀先生が「アウトプット重視の傾向にある今日に、インプットの提示の仕方について工夫することも必要ではないか」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。自分の授業でも定期的に取り入れられれば文法に目が向くのではないか、と自分の授業でも早速やってみたいと思いました。(もちろん理論を先に身に着けることも必要だと思うので、下地となる本書はいずれ読まなければならないと思います。)
2つめに学習者の"Self-Directed Study"について述べた "Teaching Learners to be Self-Directed, by G. Grow"です。これについてはGrow氏のサイトがオープンされているので、こちらのリンクを張り付けておきます。
Gerald Grow's Website
http://www.longleaf.net/ggrow/SSDL/Model.html
そして学習者の段階に応じて教師もどれだけ主導権を握るかを考えなければならないということも同時に示唆されています。学習者が教師依存状態ならば、ある程度は主導権を教師が握ってもよいが、その日の学習者のコンディションによっては彼らに任せる時間を取ることも可能ということです。
英語教育関係の授業を受けていると、「教師が話す時間は短ければ短いほど良い」という話をよく聞きます。確かにその通りですが、この言説には「生徒の様子をしっかり観察して、時機を見極めたうえで」という前提が隠れていることを改めて思い知りました。一方的に主導権を放棄して生徒に一任しても学習者は困るだけだろうし、生徒の観察も重要なのだと思います。
この他にも「読んでみたい」と思わせる素晴らしいプレゼンを聞いてきました!本の中身だけでなく、多くのことを考えられた実りのある研修になったと思います。(もっと現職の先生方とお話ができたらよかったのですが・・・次への課題です!笑)
来月もJALTの講演会があるそうなので、興味のある方はぜひ一緒に行きましょう^^
Hiroshima JALT
http://hiroshima-jalt.org/
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