特に今回は日本語の文章の書き方がまだまだ体得できておらず、自分の文章を推敲しながら自己鍛錬せねばと実感しました。このブログで自身が成長できれば良いなーと思います。
さて、初等教育についてのまとめ、第三弾です!(切り替え早ッ!)
いつも英語教育をやっている自分は、他教科に関しては全くの素人であります。
したがってここでまとめていることは的外れであったり、ずれていたりすることが多々あるかもしれません。というか、多々あります!そのような場合は、ご遠慮なくご指摘頂ければ幸いです。特に、英語科以外の方が本記事をご覧になっていらっしゃれば、是非ご意見寄せて頂ければ幸いです。
このブログで初等についてまとめを行うことは、(おそらく)英語教育専攻の方が多くご覧になっているので、他教科から英語科に活かせる部分を発見するのにもつながると期待しています。
時間を見つけて、できるだけ初等のまとめは今後も更新していきたいですね。
今回は、「理科教育」です。
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■ 自分にとって、「理科」とは?
とりあえず自分が受けてきた中では、あまり良い思い出がない教科です(苦笑)。兄は生物部に所属していて、植物や動物に詳しく、化学や物理もいつも上手に説明してくれます。(その兄の反動で、自分は文系になったのかな、と考えてしまうこともよくあります笑)
そんな兄は普段生活をしている時もよく理科の話をしてくれます。例えば、アイスコーヒーに牛乳を少し入れたとき、「待て。まだかき混ぜるな。」といってずっと見続けていました。僕もそのまま見ていると、牛乳が勝手にコーヒーに混ざっていくではありませんか。
「これが対流だよ。」
兄の一言で、それまで用語で無理やり覚えた「タイリュウ」が実感を伴ったものとなりました。これが、自分が理科に少し興味を持ったきっかけでもあります。(ただ、この経験をもっと早くにしていればよかったのですが、残念ながら私は当時既に大学3年生。兄よ、もう少し早く言ってくれれば・・・笑)
■ 原体験と理科
この経験が示すように、理科嫌いの少年でも実感を伴えば自然現象に十分興味を持ちうるものです。今回初等理科の勉強に用いた本書では以下のように説明されていました。
自然の事物や現象を認識する場合、まず、その実物や現象に触れてからそれに関する知識を学ぶと認識や理解が深まる。ところが、情報化時代といわれる現在は実物を知らずに、知識だけが豊富になっている児童生徒が多くなっていると思われる。(p.6)
例えば、私が中学受験をした時に「月の満ち欠け」について学習しました。月と星は割りと得意な領域だったので、得点源だった覚えがあります(記憶のすり替えがないことを祈りますが。)しかしふと空を見上げて月を見ても、それが上弦か下弦かよく分かっていなかったりする。しかし、よくある問題文と図があれば、記号で「上弦の月」と答えられる。「知識だけが豊富になっている」とはこのようなことではないでしょうか。
そうならないためにも、「原体験」が必要になります。原体験は「生物やその他の自然物、あるいはそれらにより醸成される自然現象を触覚・嗅覚・味覚をはじめとする五感を用いて知覚したもので、その後の事物・現象の認識に影響を及ぼす体験のこと(p.7)」と定義されています。
理科の学習の対象となる自然の事物・現象に興味や関心をもち、積極的に探究しようとする姿勢は、好奇心や感性によりもたらされるものである。したがって、原体験は、単に自然認識を深めることだけを目的としたものではない。原体験は好奇心等、人間として生きる力を身につけさせることを目的とした根源的な体験であり、教育の視点でみると360°の方向性をもったものである。[...]そして、体験に裏づけされた知識や概念は生きて働く力になると共に、判断力、表現力、思考力、創造性を豊かにすると考えられる。(p.8)
いかに科学的思考力をつけようとしても、原体験がなければ抽象論となり実感が湧かずに親しみが湧かない・・・。だからこそ、原体験→探究・科学的問題解決という流れが重要になります。
仮に「電流」という単元を扱う場合にも、まずは豆電球が明るくなったり暗くなったり、モーターカーが速く走ったりゆっくりになったりするのを目で見たり触ってみたりして「感じる」ことが必要となって、「なぜだろう」という探究活動へつながり科学的思考力の育成が始まります。
■ 4QS
探究活動のためには、仮説を立てて検証するという作業が必要です。もちろん「では仮説を立ててみなさい」といわれてもすぐに立てられる子ばかりではありません。以下に示すのはCothoron. j. hらによる"Four Question Strategy"(小林氏はこれを頭文字をとって4QSと呼んでいる)で、子どもたちが現時点で持っている知識や経験から仮説を立てさせる手立てです。
4QSは以下の4つのステップから成り立つ。
STEP 1 変化する事象を従属変数として簡潔に記述する
STEP 2 従属変数に影響を及ぼす独立変数に気づかせる
STEP 3 STEP 2で挙げた独立変数を実験条件としてどのように変化させるのかを考えさせる
STEP 4 STEP 1で挙げた従属変数を数量としてあらわす方法を考えさせる
(pp.16-17)
→これらを組み合わせて仮説をつくることができるようになります。
※従属変数と独立変数とは
簡単に説明すると、独立変数は実験者が意図的に操作することで変えられる値である。それに対して、従属変数は独立変数の値を変えることによって変わる値のことである。たとえば、暑い部屋でクーラーの設定温度を25℃, 28℃と自由に設定すると、それにともない部屋の室温も変わる。この場合、私が設定するクーラーの設定温度の値が「独立変数(実験者が操作可能)」であり、実際の部屋の室温は「従属変数(実験者が直接操作はできないが、独立変数の変化にともなって変化する)」といえる。
(あまり良い例でなかったらすいません。ご指摘ください。)
これら4つのSTEPを経ることで、児童が自力で仮説を立てることができるようになります。
例えば「直列つなぎと並列つなぎの違い」という単元に当てはめて考えると以下のようになるのではないでしょうか。
学習課題:モーターカーを速く走らせるにはどうしたら良いのだろう。
STEP 1 : モーターカーの速さ
STEP 2 : 電池の個数?, 配線の長さ?, 電池の種類(単一, 単三など)
STEP 3 : 電池1, 2, 3個,配線 2, 4, 8cm,単一, 単二, 単三
STEP 4 : 速度(m/s),10mを走りきる時間(秒)など
立てられる仮説(例)
・電池の個数を1, 2, 3個と増やすと、モーターカーが10mを走りきる時間は短くなる。
・配線の長さを2, 4, 8cmと長くしていけば、モーターカーが20mを走りきる時間は長くなる。
ただ「モーターカーを速く走らせるにはどうしたら良い?」という発問ではアイデアが思い浮かばない児童でも、この4QSを用いれば具体的数量に表す方法や結果に影響を与える変数の存在といった特定の箇所について考えれば良いので、より事象を単純にとらえられるという効果があります。そして仮説を立てることでそれを検証したいという動機付けになり、実験に対する関心も高まると期待されます。
ただし、このやり方では間違った仮説をたててしまうのではないかという反論もあるかもしれません。(実際に配線の長さに関する仮説は誤り。)だが、これも「予想をして確かめて結果をまとめる」というプロセスをたどることに変わりはなく、科学的思考の育成には十分寄与するものと考えられます。(もちろん実験後には他班との交流により真実を知る機会は確保される必要があるのは当然です。)
【感想】
今回は、英語教育に応用できる余白はあまり見られなかった・・・。(まあ技能科目ですし、あまり独立変数・従属変数という考えは用いないのでしょうか。)なにか良いアイデアがあれば、英語科の皆様お願いします。
ちなみに、卒業論文のマインドマップ代わりにも使えるのかな?と感じました。
例)英語の文章を速く読ませるにはどうしたら良いのだろう?
STEP 1 : 読みの速さ
STEP 2 : 文章中の未知語数,読み手の英語学習年,留学年数
STEP 3 : 文中の未知語=χ/300語,読み手の英語学習=y年,留学=zヶ月
STEP 4 : 速度値(wpm)
→仮説:文中の未知語が少なく、読み手の学習歴が長ければ、速読値は大きくなる。
さて、どうでしょうか。このような関連の論文を読んだ経験が少なく、仮説の立て方があっているかすら自信がありませんが、何か参考になれば幸いです(汗)
さて、明日はオープンキャンパス!頑張りましょー!(夏休み、早く来い。涙)
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