最近コースの行事や追いコンなどがすべて終わり、いよいよ勉強をしない言い訳を失ってしまいました(苦笑)周りが本当に勉強熱心な方が多いので、自分も良い刺激をもらってやるべきことを1つずつ片付けて行こうと思います。
ということで、以前から書き溜めていたブログ記事をどんどんあげていきます。笑
先週の日曜日もJALT広島へ参加させて頂くことができました。
受付の方から「あぁ、守田くんね。」と言ってもらえてなんか嬉しかったです笑
前日にサークルの追いコンで若干寝不足でしたが、それでも充実した研修になったと思います。
以下に研修中のメモをブログ用に書き下ろしたいと思います。
130317 JALT(March)
Ms. Akazawa on Learning Weakness
今回のテーマはLearning Weakness(以下LW)についてでした。恥ずかしいことに研修を受けるまでこの言葉は知らなかったのですが、簡単にいえば学習する際の弱点と言えること(集中力が続かない、英語のアルファベットが全く書けない、lとrが識別できないなど…)を指すようです。
講師のアカザワ先生がLearning Weaknessについて興味を持ち始めたのも、ご自身の息子さんが勉強するときに苦手なところがあったのがキッカケだそうです。アカザワ先生はとても親しみやすい方で、講演を開始する前に全ての参加者とコミュニケーションをされていました。また講演も1時間があっという間に感じられるほどのめり込ませるものでした。その要因は具体例の多さにあると思います。アカザワ先生が実際に持たれた生徒さんの話が中心だったため、とてもイメージがしやすく、理論も掴みやすかったです。(もちろんアカザワ先生の話もとても面白かったです。)
■WHY LEARNING WEAKNESS?
1. lack of exposure
2. difficulty in the first year in their life
3. genetic reasons(e.g. dyslexia)
そもそもなぜLWが起きるのでしょうか。先生によると幼少期に外部からの刺激が少ないとなりやすいそうです。例えば生後に親から十分言葉を教えてもらえなかった場合は、成長して学校に通った時も言葉の理解能力が低い場合があります。特に生後の最初の1年間が重要で、この期間の経験が後に大きく影響するようです。
ちなみに幼児期の経験が後の発達に影響を与える例として、子ども時代にした遊びによってその後の人生が決まる、と大学の心理学の教授が言っていたことが思い出されました。
■ 英語の学習に困難を持つ生徒に対する英語教師の重要な心持ち
”If the student has difficulty in English, they have other languages to chose to learn. ”
これは公演中にアカザワ先生がおっしゃったことばです。最近考える機会が多かったのでここにも引用させて頂きました。
英語が仮にできないからと言って、外国語を学ぶことはもちろんできます。自分がこれまでに出会ってきた人の中にも、英語が少し苦手だったけど代わりに韓国語のレベルはどんどん上げられた方が何人もいます。大事なことは英語ができないというだけで、その子に異文化接触の機会をなくさせないことだと思います。英語教師として英語への情熱はもちろん必要だと思いますが、もう少し広い視座でこのような考えも持てるようになりたいと思いました。
そう考えていた矢先に、寺島隆吉先生著「英語教育原論」を読む機会がありました。ここにも冒頭に以下のような先生の考えが掲載されていたので、引用させていただきます。
すべての生徒が英語を学ばなければならないのでしょうか。だって、世の中に言語はいっぱいあるわけですから、何か一つは外国語を学ばなければならないとしても、それはフランス語であってもいいわけだし、ドイツ語であってもいいわけです。だいたい、隣に韓国があるのになぜ韓国・朝鮮語を勉強しないのかと考えると、英語だけというのは、とても不自然です。(p.22)
英語の教師は「外国語は英語だけではないんだ」ということをどうやって教えるかも重要な仕事の一つだと思うのです。そのようなことを認識しながら広い視野の中で英語を教えるということが英語教師の仕事でなくてはいけないということが英語教師の仕事でなくてはいけないはずだと考えるのです。(p.26)
もちろん多くの雑務や教材研究、生徒指導などに追われて、一人の英語教師にどこまで求められるかは考慮されるべきですが、このような外国語を教える者としての態度は2つの利点があるように思えます。1つは英語が苦手な生徒が希望を捨てなくてすむということ。英語が苦手だからといって、他の外国語はできるかもしれないし、自分の興味のある文化であれば習得できる可能性も高まるはずです。2つめに、全ての生徒にとって、英語だけやっておけばよいという幻想を抱かせずに住むことが挙げられます。現に自分がイギリスへいったときも、多くの場所で「あなた何カ国語喋れるの?」と聞かれ、「日本語と英語だけ…」と言うと、「あら、そう。」と。少し辛い思いをしたので、英語だけでは なく他の言語を知っていることも重要なのだと感じました。
■ LWの実際
ここからはLWのうち、音声識別についてと記憶力について簡単にアカザワ先生の説明のまとめを載せておきます。
(1)Auditory Discrimination
まずは、以下の単語のペアをみてください。
walk work
bug bag
cap cup
sheep ship
実際に先生に発音して頂いて識別したのですが、私にとっても難しかったです。
先生によると、もしもこれらの音が識別できないと理解力にも影響するそうです。
文脈から判断できるという意見もありますが、文脈から判断をしているとそれだけ時間を余分に取ってしまうために、リスニングのスピードに追いつかないこともあり得ます。
対策として、「語レベル」での発音練習と「文レベル」の発音練習が必要だと指摘されます。
「語レベル」
例)elephant
例えばelephantという単語の発音をするのであれば、とにかく教師は強調をして読むことが重要です。
この単語であれば/l/の発音を大げさにすることと"ph"が/f/と読まれることを強調します。
学習者がたとえ音声識別が苦手でも、大げさな教師の読みを真似することによって少しずつ慣れて行くようです。
「文レベル」
語レベルでの発音ができるようになったり識別できるようになったりしても、実際に用いられるのは文の中です。次の段階として、文の中で読む練習・識別する練習が必要になります。
これらの練習を通してphonological awarenessを高揚することができます。
一般的に子どもの頃の方が大人よりもphonological abilityは高いので、豊富なインプットの必要性が何度も説かれていました。
(2)executive function
例えば、リスニング活動として教師がいかの指示を生徒にしたとしましょう。
”Draw two red dots.”
ある児童はまず筆箱を開けます。しかしその後「点は何個だっけ?」と聞き返します。
教師がもう一度"Draw two red dots."と言うと、「あぁ、2個か。」そしてペンを選ぼうとすると「何色だっけ」と聞き返し、教師はがもう1度繰り返します。子どもが「そうか、赤色だ。」といって点を書こうとすると「あれ、何個だっけ?」
つまり何か別の動作をしたり違うことを考えると、それまでに得た情報を忘れてしまうのです。
英語の授業実践でも「指示の細分化」が批評会での課題としてよく挙げられます。1回の指示には言いたいことは1つしか入れないということです。もちろんこの細分化は授業を成立させるためには必要不可欠です。しかし、彼らの記憶力向上のためにも何か別のことが必要となります。
アカザワ先生がおっしゃったのは、記憶力の向上にはエアロビクス、スポーツを毎日行うことが有効とのこと。実際に検証した論文も既に出ているそうで、当日いらっしゃった現場の先生の中にもスポーツを続けたことで記憶力の困難さがぐっとましになったケースを経験されたことがあるそうです。実際に英語の授業ではphysical limitationがかかっていることが多く、体を動かすことにもう少し焦点を当てても良いのではないか、とまとめられていました。
…と長々と書いてしまいました。(本来ならばこの後に実際のケースがいくつか紹介されたのですが、それについてはここで書く必要もないかと思いますので、興味のある方は個人的にお願いします。)
実際に自分がこれから教えて行く中で出会う学習者のほとんどには弱点があります。教師としてはそれを見抜き、対応策を考えて、実践する、という3つのことが必要なのだと思います。教えている時に陥りやすいのが「なぜこの子達はできないんだ」という、できないことを生徒の怠けなどに帰属させることです。これでは友好な関係が築けるとは思いません。そうではなくて、学習者の弱点を知り、同時に強みも見抜くことで指導をしていくべきだと思いました
もちろん言っているだけなら簡単なので、自分も教える際には気をつけていこうと思います!
コメントで皆さんの意見をお聞かせ頂けると幸いです。特に
(1)Learning Weaknessを持つ学習者への対応
(2)英語教師として英語以外の言語の存在を示すことについて
などについて皆さんと議論できたら…と思うので、お気軽にお書きください(^^)
0 件のコメント:
コメントを投稿